第15章 執事の建前と嫉妬と焦燥
「え?ミナトさん?えっと…ねぇ、
ミナトさん…ね、ミナトさんは
変わりなさそうで、
全然大丈夫そうだったよ?
あ、えっと…その、うん、ミナトさんの
その………も、元気…だったしね…。
それに、…忙しそうに
お仕事もいつも通りにしてたから。
でも…、昨日の事…
謝りたいと思ってたから…。
ミナトさんに…会えて…良かったよ…」
その反応は…まるで…恋人との
デートから帰って来た娘の
朝帰りの理由を 自分が尋ねて置いて
その反応を見てつまらないと感じてる
父親のする
やり取りの様な感じすらしていたが
途中言葉を濁らせた辺りの元気には
どうにも別の意味が…含まれてそうな…
言い回しのニュアンスだったのが
送り出して置いて…
若干の…苛立ちにも似た感情を
私の心に…わずかながら落として来たのは…
自分でも…気が付かない様にして振舞う
そのお言葉に対して感じた
若干の苛立ちよりも
一瞬にして…別の苛立ちが…自分の心を
揺さぶっているのを…メリーは感じていた
『そうで…ございましたか…。
それは…大変結構でありましたね…姫様。
で…、私からお聞きしたいのは
…それでは無くにですね。別の事に御座います。
姫様は…。白の世界に…、シナリオを体験に
行かれただけのはずに御座いますのに。
何故その様な事になっておなりで?
私にはその原因が、
分かりかねるのでありますが?
姫様のお口から、
私に…ご説明を頂戴致しましても?』