第15章 執事の建前と嫉妬と焦燥
メリーは…驚きの光景を目にしていた
周囲をまばゆいまでの光が包んでいて
あまりにもその光が強烈すぎて
自分の目に見るだけで刺すような
痛みを感じてしまっていて
…まともに目を開く事すらも難しい
その光の中心は… 紛れもなく
私の姫様の いろは様でしか無くて
『……この…状態は…、一体…』
その…輝かしいまでの…光が…
姫様のお手にある 魔法のステッキに…
黄金の光り輝く 光の翼を与えていて
デイベッドの上に横たわっていたはずの
姫様のお身体がベッドの上から
空中に 1メートルほど浮いてしまって居る
姫様は…今は シナリオの中に意識がおありで
白の世界に居られるはず…なの…に…
姫様と…ミナトと言う名の淫魔のセラピストとの
魔力の相性が 余程良いのか…
それとも 純粋に…身体の相性が良いのか
多分…今…姫様は…シナリオの中で
かなりの快感を得ている最中で
この…まばゆいばかりの光こそが…
体内に収まりきらずに
魔法のステッキの魔鉱石からも
飽和してる余った魔力なのだろうが…
だが…あの時と…違うのは…
魔力の高濃度の飽和状態が続いてるが…
あの時の様な けたたましい
警告音が鳴って居ないと言う事だろうか…