第5章 次の日…の朝
そして…
私は 今…
メリーの”案内開始”と言う名の
催眠導入音声を聞いて…
何も無いただただ永遠に続く
真っ黒の世界に
緑色のフレームが引かれた世界の中に
唯一存在する
ドラマのセットの様な私の部屋に居るのだが
どこからか取り出して来て
私の部屋のセットに設置した
ホワイトボードには
私に説明をする為に用意したのか
既にメリーが予め用意した
ホワイトボードに
びっしりと文字を書いていた様で
この世界と言う物がどういう
存在なのかと言う説明が…
事細かに図解と丁寧な
説明文で書かれていたのだが
どうにも… 私の世界の常識とは
余りにも この世界の常識が異なり過ぎていて
説明を受けた所で…ちんぷんかんぷんで
非現実的過ぎるので
素直にそのまま受け入れがたい…
私が半信半疑にしか彼の
話を聞いて居なかったので
ふぅ…とメリーが小さくため息を付くと
スッとその手をホワイトボードの上で
スワイプさせる様にして動かすと
パッ…とホワイトボードがまるで手品の様に
綺麗さっぱりと忽然と姿を消してしまって
『姫様には…、この様に、座学にて
ご説明を致しますよりも、昨日の様な…
実践形式でのご説明の方が…
ご理解が深まりそうにありますね。
では…、外へ参りましょうか…』
外とは言っても… この私の部屋と言う
申し訳程度の建物?らしきもの以外は
上とか 下の概念すらも怪しい
黒の世界がどこまでも広がっている