第14章 貴方だけの特別なショートコース……***
その辺りの真意をこっちが聞こうとしても
それには濁してしか答えてくれないし
さっき…私の胸の所に…あの人が…
叶人さんが残した痕を…
自分の痕で上書きしたいと言って居て
それも…良く良く考えたら
いいよって返事して置いて
彼は私の彼氏じゃないから
おかしな…話…な気もする…のに…
いや…でも…今は…デートコースだから
ミナトさんは私の彼氏をしてるって事?
一度 いいよと答えてしまった手前…
今更 ダメですとは…言うに言えない…ッ
色んな考えが脳内を巡るが
ぼんやりした思考では
何を考えても何が最適なのか
自分でも判断がつかなくて
いろはがミナトに視線を向けると
ミナトが視線を…テーブルの上の
ティーセットの方に向けているのが見えて
いろはもそちらに視線を向けた
『ねぇ、……まだ…身体に、
あの紅茶の…酔いが…残ってる…でしょ?
そのままじゃ…辛いのは、
いろはちゃんの方だよ?
……今は……、何も…考えなくていいから…。
俺だけを見て?俺の声を…聞いて…、
俺を…感じてくれてたら…いいから…』
身体の芯が…熱いのは
さっきの紅茶で
酔ってしまってる…せいだけど…
囁かれるミナトさんの声が甘くて…
耳に掛かって来る吐息が熱いって感じるのは
その…ミナトさんの言葉の
言いなりになりそうになってしまってるのは…
ミナトさんの…使ってる 魅了の魔法の所為…??
でも… おかしい…っ 昨日よりも…
魅了の効果が…凄い…感じる…
ミナトさん…の魔力…が…強くなってる…の?
ミナトさんに…抱かれたいって…
そう思ってしまってる…のは
魅了の魔法の所為?
それとも… 私が…あの紅茶で
…酔ってしまってる…所為?