第14章 貴方だけの特別なショートコース……***
「あっ、あの…きょ、今日は
…その…施術じゃなくて…ッ」
『知ってる…、分かってる。
今は施術じゃなくて
デートの方だって言いたいんでしょ?
昨日…俺が言った事…
忘れちゃったの?いろはちゃん
それに…痕を、付け直しするだけ…って
それだけ…って思ってるの?』
私は施術のコースじゃなくて
デートのコースでと
お願いしたのだと訴えると
ミナトはいろはに
分かってると返事を返して来て
えっと… じゃあ…
今の…ミナトさんは…デートコースで
私の…彼氏をしてくれている方の
恋人役をしてくれているミナトさんの方で…
施術としてじゃなく…
そうしたいと言ってくれてるのは?
『俺だって…、こう見えてもさ。
一応は…淫魔…なんてしてるし、
セラピスト…でもあるけどね?
一応は…男…だったりもする…しね?』
…なんて事を自嘲する様に
ミナトがこっちに言って来るから
また…この… どっちとも
どうとも取れるような…ミナトの
私に都合よく解釈できそうな
そんなニュアンスの言葉に…
惑わされてしまって…ドキドキしてしまってる
でも…ミナトさんの言ってる事が
どう言った意図に依るものだとしても
昨日のあのソファの時と違うのは…
こっちの意思を確認する感じじゃなくて…
今の…ミナトさんの言動は完全に
さっき…叶人さんが
私にした事に嫉妬してる彼氏…がする
純粋な反応にしか…私には見えなくて
着ていた服だって…全部
明るい部屋の中で
強引に剥ぎ取られちゃったし…
シャワーもいいも悪いもなしに
一緒に浴びようと言って来てるし…ッ
いや…もう…既に…こっちは
全裸…になってしまってるから
浴びるしか…選択肢は…無いけど…ッ