第5章 次の日…の朝
「ちょっと、どうなってるの?
昨日まで…四角だったでしょ?貴方ッ
なんで、羊になってるのっ。メリーぃいいっ。
貴方…なんでしょう?どうなってるの?
私のコンシェルジュアプリ、乗っ取ったの?」
『何かご用でしょうか?姫様』
「何かご用でしょうかじゃないのっ!
今はアプリ起動してないでしょ?
勝手に、人のスマホに干渉しないでよッ」
『ああ~。私が…あのアプリから
自由に、スマートフォンの中に
出れている理由にございますか?
それは…、昨日のあの…
チュートリアル…による物です。
姫様の魔力が高まった分、こちら側の世界で、
私が干渉できる範囲が、あのアプリの外にまで
広がっただけに…ございます』
「アンインストールしよ…ッ」
『それに…姫様のお世話は…
このメリーの仕事に御座います』
「アプリのアイコンを…ゴミ箱にっと…」
そう言って専用のアプリを
ゴミ箱にスライドしようとしたのを
画面の中の羊のアイコンが邪魔をして来て
グググッグッとお互いに一歩も引かない
攻防をメリーとホーム画面の中で
繰り広げてしまって居て
『今は、この程度にございますが。
もっと、姫様の魔法のお力が高まれば…。
私が…干渉できる世界がこっち側だけでなく、
そっち側にも…干渉域が広がるはずですので…。
そうなりましたら、私が…そちら側の
姫様のお世話を致す事も可能に御座いますが?』
一瞬 そのメリーの言葉が
私には信じられなかったのだが
どうせ…どこかの声優が当てているCVが
勝手に話してるだけの会話のはずなのに…
「は…?そ、そんな事…、
出来る訳…が…ッ、ないでしょ?
そんなの、非現実的過ぎるし…」