第14章 貴方だけの特別なショートコース……***
この叶人と言うセラピストの
仕事中の様子がさっぱり
いろはには想像が出来ないのだが
考えれば考える程 頭が混乱して来て
それを落ち着かせるためにも
淹れて貰った紅茶をいろはが飲んでいると
じっとこちらの顔を
テーブルの上に頬杖をつきながら
叶人が見守っているのが見えて
改めて…この距離で叶人の顔を見ると
あどけない感じの
大きめのグリーンが掛った
オリーブグレイの
ちょっとたれ目気味の目をしていて
男性にしては叶人は
可愛らしい感じの顔立ちをしていて
穏やかな落ち着いた口調だけど
顔が可愛らしい感じだから
自分と同じくらいなのかも知れないし
若いかも知れないし 年上なのかも知れない様な
年齢不詳な印象を受ける
『どう?美味しい?僕の淹れた紅茶…なんだよ』
「はい、美味しいです」
『それだけ?』
「え?とても、美味しいです…よ?」
『そうじゃなくて…、
まぁ、まだ…、…いいけど…』
紅茶の味を聞かれてしまって
普通に美味しいと答えたのだけども
紅茶の純粋な味…とか…香りだったら
メリーが淹れた紅茶の方が正直美味しい…
こんな所でメリーってやっぱり執事なんだなって
凄い納得してしまって
メリーの淹れた紅茶が飲みたいなとか
あのチーズタルトをまた作って貰いたいなとか
今度はフレンチトーストリクエストしようかなとか
そんな事を…考えてしまったりしていた