第14章 貴方だけの特別なショートコース……***
今こうしてその笑顔を見ていると
さっき下に居た時に感じた
重圧の様なプレッシャーは無くて
凄い…優しそうで…まるで…
そう…天使…みたいな人だなぁ…って
考え過ぎ…だったのかなってそう思うと
そのにこにこと春のお日様の様な叶人の
笑顔を見ながら同じ様にニコニコと
いろはも笑顔を
叶人に対して返していたのだが
『紅茶…、どーぞ?』
そう叶人が言いながら
いろはの前のテーブルの上に
紅茶を置いて来て
その時に それの存在に気が付いたのだが
ソファに置かれていた?
背もたれに持たれて座らされていた?
大きな黒猫の抱き枕の様な…
ぬいぐるみなのかクッションなのか枕なのか
どれに当たる物か分からないが
クラフトホリックに
こんな猫居たっけ?と言う感じの
のほほんとした間抜け面をした
大きな黒猫の抱き枕が自分の隣にあったのだが
いろはは記憶と辿りながら考えていて
自分がこの施術室に入って来た時にこんなの
ソファの上には無かった様な気がする…
クラフトホリックかなって思う様な
独特の愛嬌のある顔をした…猫の抱き枕
流石にこんな大きな物が
見えない程に自分の目って節穴だったっけ?と
いろはがそんな事を考えながら
自分の隣に座らされている
猫の抱き枕にちらちらと視線を向ける