第14章 貴方だけの特別なショートコース……***
ここでのやり取りの間に
叶人と呼ばれたセラピストは
ミナトにLINEでこの旨を確認したらしく
オーナーからすれば
yesと首を縦に振るしか無い様な
そんな言い方でそう言って来て
その言葉の圧は強いのに
その声と口調は穏やかで
アンバランスでちぐはぐな印象を受ける
『あ~、そうそう。ヘルプ代の事??
う~~ん、そうだぁ~。
どうしようかなぁ~。だったら……、
料金は施術90分のコースに
ミナトの指名料でいいよ~。
僕の分は…施術の時間の、
僕がヘルプで入った分、割りでいいからさ。
じゃ、ミナトの施術室の鍵、借りてくね~。
僕、先に上で待ってるからさ。後でねぇ~』
そう言ってカーテンの向こう側の
プレッシャーと言うか存在感が
無くなったのを感じて
もうその叶人はそこに居ないのは
カーテン越しでも分かったのだが
淫魔のお兄様の返事を聞かないで
もうそれで押し通してしまった様だった
何と言うか…ミナトさんの昨日の話だと
この淫魔のお兄様がオーナーなはずなのに
さっきの”叶人”ってセラピストには
理由があって 逆らえないって感じだったな…
でも…昨日
セラピストのパネル見せて貰った時に
さっきの人…らしい人居なかったけどな…
叶人って…名前のセラピストの人見てないし…
昨日は出勤してなかったのかな…??