第14章 貴方だけの特別なショートコース……***
カーテンがスッと開いて
真っ白のスーツ姿の男の姿が見えるが
その肝心の顔の部分は
カーテンの影になって居て
この位置からは
残念ながらその顔を見る事はできない
『それに…、
その子は…帰しちゃダメな子だよ?
ミナトが店に来たら、
キツくなっても良いから、
予定調整して欲しいって、
出勤した時に、言ってた姫でしょ?その子。
ミナトが接客してるんだったらさ、
それまでの間さ、僕でも良い?
ねぇ、君さ僕と一緒に
ミナトが戻てくるまで遊ぼうよ?
今日は…予約のお姫様が
1人キャンセルになってさ。
急な商談が入ったって。
次の予約のお姫様が来てくれるまでさ、
僕は暇なんだよねぇ~。
まあ当日のキャンセルは
お仕事しなくても、お金は入るから
そっちはいいんだけどね。
でもでも、今さ、退屈で死にそうなの。
ねぇ、オーナー…
上、のミナトの部屋使わせてよ~。
ミナトが戻って来るまで…の
15分とか…なら良いでしょ?』
『そうは言うが…、
まだミナトに確認を…取ってないし…。
ミナトだって、次までに休んだ方が…』
あははははと無邪気な雰囲気の笑い声が
カーテンの向こう側から聞こえて来て
『んもう、オーナー?何言ってんの。
淫魔…が…
休憩なんてしなくてもいいでしょ?
だってさぁ、淫魔…なんだよ?
えっちな事、沢山する悪魔でしょ?淫魔って。
それにミナトがさ、
この店で仕事してた5年間さ、
1度だって、そんな事言った事ないんだよ?
断わるってオーナーが言うんだったら、
僕…、ミナトにこの事、
言いつけちゃうかも~??』