第14章 貴方だけの特別なショートコース……***
そう申し訳なさそうに
淫魔のお兄様が今日はミナトには
空いている時間が無いのだと伝えて来て
その為に 今日はここに私は来たので
今日はそれが難しいのであれば
また日を改めさせて貰おうかとか
いろはがあれこれと考えて思案していると
『い~けないんだ、いけないんだ~。
ねぇ~、あのさぁ、ちょっとオーナー?
それ本気で言ってる?可愛いお姫様がさ、
折角、お店までさ、
ミナトに会いに来てくれてるって言うのに。
お姫様に対してさぁ、
そんな意地悪言っちゃダメだよ~。
そんなの良くない、良くない、良くないよ~?
こっちのさ、事務所のスケジュール表だったら、
今のお客さんと次のお客さんまでにぃ~、
ミナトの時間、1時間半あるってなってるし。
だったらさ、その時間に…裏メニュー
してあげたらいいんじゃないの?ね?
だって、僕が
良いって言ってるんだよ?良いよね?』
カウンターの後ろのカーテンの向こうから
淫魔のお兄様とは別の声が聞こえて来て
穏やかな響きのある声は
声だけ聞いて居れば 20代前半位な感じで
コツコツと足音がこちらに向かって
カーテンの向こう側から
その声の主がこちらの方へ
近付いて来るのが音で分かる