第14章 貴方だけの特別なショートコース……***
…どどっ どうしようっ…
昨日も来たのにッ 今日も来るとか
この子絶対…性欲が強い
ドスケベな子だって思われてるよっ…ッ
「あっ…あのッ…」
ミナトさんをお願いしますと
それだけ言えば良いはずなのに
それが言葉がしどろもどろになってしまって
いろはが上手く言えないで居ると
『お帰りなさいませ。可愛いお姫様。
ようこそ、お戻り下さいました。
こちらは…淫魔のマッサージ店に御座います。
姫様、今宵は如何致しましょうか?』
淫魔のお兄様の言葉に
いろははハッとした
いらっしゃいませじゃなくて
お帰りなさいませだ…った
やっぱり…昨日 私が
ここに来たって事は…ちゃんと記録されてるんだ
エルフのオネエだけじゃなくて
淫魔のお兄様も…
私の事をちゃんと憶えてくれてるんだと
その言葉は
いろはに思わせるには十分だったのだが
ますます…自分の中で…ミナトも
自分の事を記憶してくれてるんじゃないかって
そんな期待を…してしまってる
「あっ、あの…、すいません。
ミナトさんを…お願いしたいんですが…ッ」
ミナトを指名したい旨を
いろはが淫魔のお兄様に伝えると
淫魔のお兄様の表情を
一瞬曇らせたのが見えた