第13章 メイド服を着た姫様と世界樹
深い理由なんてなくて
単にあそこから近かったから
気分転換に連れて来てくれただけだろうし…?
自分の隣に立っている
メリーの横顔に いろはが目を向ける
この美しい光景を…
メリーは…どんな気持ちで
眺めてるんだろうって…
前の…この世界の姫様の創る世界は…
とても美しい世界だったって
メリーがそう…言ってたけど…
だったら私も…
美しい世界を…創れば…良いのかな?
私の創造する…
私のイメージの及ぶ範囲での
綺麗な美しい世界になっちゃうけど…
もし… 私が
メリーがかつて見ていた…のと同じ
その世界に瓜二つの世界を創ったら…
メリーは…喜んでくれるのかな?
それとも…余計に…悲しくなっちゃう…のかな…?
どっち…なんだろうって
そんな事を…考えてたら…
どっちが正しいか何て…ぼやけてしまって
この…水の中の淡い光みたいに…
遠く離れてしまえば…その光すら…
この目には…捉える事は出来ない…のだから
そう簡単には… 正解の答えには
辿り着けそうに…無いなって…そんな事を考えつつ
ぶんぶんといろはが頭を左右に振って
その考えを頭の隅に追いやると
ダメだダメだ こんな事ばっかり考えてちゃ…