第13章 メイド服を着た姫様と世界樹
「メリー?どうかしたの?メリー」
メリーが滝の方を見つめたままで
ぼんやりとしている感じだったので
いろはが声を掛けたのだが
いまひとつメリーの反応が鈍い感じで
真っ白の蓮の花が一面に咲いていて
その蓮も大型の特大サイズの花だから
中々にインパクトがあるのだが
ほんわりと…蓮の花の中央が光っている
「ねぇ、メリー…気になるんだけどさ。
どうして蓮の花の真ん中光ってるの?」
『ああ。あれは…ですね…、この世界の
生き物は動物であれ、植物であれ、
人間であれ、モンスターであれ…、
全てが魔力を帯びているのです。
その魔力が…あの様に…
ほのかに光って見えるのですよ』
そう言えば…
ミナトさんが人間をエサに出来ないから
人間の食べ物を食べたりしてるって言ってたのは
食べ物を食べる事でその中にある
微量の魔力を栄養源として取り込んでたからか…
あの…シナリオが強制終了になった後に
お姫様のステッキがキラキラを通り越して
ギラギラに輝いてたのも
魔力が可視化できる状態になってたから
あんな風に光って見えてたのか…
「へぇ~、綺麗…、これさ…夜に見たら
凄い綺麗なんじゃないの?蛍みたいにさ
池の水面がこの魔力の光で
光って見えるんじゃない?」
『では、こちらの池の夜のお姿も
ご覧になられますか?姫様』