第13章 メイド服を着た姫様と世界樹
そう…メリーが自分の後ろに居る
いろはに対して声を掛けると
いろはからの返事は無かったのだが
そのまま…こっちが進めば
後からついて来るだろうと
メリーが一歩…その場から踏み出すと
くいっと…後ろから服の裾を引っ張られて
バランスを崩しそうになるが
『姫様…?』
「後ろから…
付いて行けば…いいんでしょ?
メリーはそのまま…
振り返らないで進んで頂戴」
またしても 取って付けた様な
似合わない命令口調で
いろはが後ろから言って来て
『では…そのまま…私の後ろから…
付いていらして頂けますでしょうか?』
ギュッと言葉での返事の代りに
メリーの服を握っている
いろはの手に力が入って
どうにも…私の姫様は…
可愛らしい所もお持ちの様だと思いながら
そのまま…世界樹の種が植えてある
場所に移動するとその歩みを止めた
『姫様…到着致しました。
こちらが…昨日姫様が…世界樹の種を
植えられた場所に御座います』
朽ちた祭壇の様な場所に上がると
昨日 世界樹の種を植えた場所を確認する
世界樹と言う名の
ヤシの実程の種だけあって
大きさが私の手の平よりも
大きなサイズの双葉が
芽を出しているのが見えて
それも…緑色じゃなくて…
透明のガラスみたいな…
キラキラと七色に輝いてる双葉が出ていて