第13章 メイド服を着た姫様と世界樹
『姫様っ、遺跡は崩れやすいので…、
走られると足元が崩れてしまい、
危険で御座いますッ』
「平気平気っ、
大丈夫…だっ…って、って、あれ?」
足を踏み出した先に…あったはずの段が無くて
そのままぐるんと いろはの視界が反転して
しまったと思った時には…
時すでに遅し…だったのだが
そのまま…思いっきり
尻もちを…その場で付く様な…
そんな転び方をしたはずだったのに…
自分のお尻には…不思議と痛みは来なくて
自分が…何かの上に座っているのに気付いたが
やっぱり…と言うか… そうだよね
思いっきり…庇ってくれたメリーの上に
いろはは座ってしまって居て…
「ごっ…ごめんっ、あ、ありがとうメリー。
私が…ちゃんと…、メリーが危ないって
言ってるのに、走ったりしたから…」
メリーの上から自分の身体を退けると
自分の下敷きになっていたメリーの身体を
いろはが支えながら上半身を起こさせて
『いえ、姫様に…お怪我が無いのであれば…
私は…それで、安心を致しました…ので。
姫様を…、お守りする事も
我々…執事の使命に御座います…』
メリーが立ち上がるのをそのまま
いろははその場で見ていて
さっきまでは 姫様が前に行っていたのに
自分の後ろから前に出る感じがなくて
これは…こっちに
先に行けと言う意味だろうかと
そうメリーは解釈して
『でしたら、私が…お足元の安全を
確認しながら先に参りますので、…
姫様は…そのまま私の後より、
いらして頂けますでしょうか?』