第13章 メイド服を着た姫様と世界樹
『ご心配…なのですか?姫様…。
姫様の案外…、
お可愛らしい所もおありの様にあられる。
ご安心なさって、下さいませ?姫様。
メリーは姫様の執事に御座いますよ。
主である姫様のお側を離れるなど、
例え私の、この身が裂かれようとも
天地が返ろうとも、ありません…ので。
私を…信じて…下さいませ、姫様』
思わず…そのメリーの言葉に
いろははドキッとしてしまっていた
一瞬で…今の…この得体の知れない
乗り物への恐怖心よりも…
何があっても…
側を離れる事は無いと言うメリーが
私の前の…姫と…離れる時には…
自分のその身を…引き裂かれる様な…
そんな思いを…したのかなって…
そう…考えてしまって居て
『…姫様?姫様?如何なさいましたか?』
「ううん、何でもない…乗るね…」
白いマンタの様な形のフライカイトの上に
いろはが乗ると 前にあるポールを握る
『姫様…、失礼を致します』
そう言って後ろからメリーが
こっちの背中に自分の身体を
添える様にして立って来て
数センチの距離で身体には触れてないが
相当に…距離は近いし
自分の耳元の辺りにメリーの息遣いを感じる
『それでは…姫様…、飛びあがりますので…
私の身体にそのお身体を…お預け下さい…』