第13章 メイド服を着た姫様と世界樹
自分で自分の髪の毛を
ブラッシングする時なんて
適当にブラシでジャッジャッとして
もうそれで終わりって感じだから…
普段雑な扱いをしてごめんよ~と
いろはは自分の髪に思いつつも
自分の髪に触れて来る…
その手のぬくもりに
ちょっと…メリーを
意識してしまっている自分が居て
ほわっと…して 絆されてしまいつつあって
いかんいかんと…ハッと我に返って
いろはがブンブンと首を左右に振った
『ああ。その様になさっては…
なりませんよ?姫様。
もうすぐ…終わりに致しますので…、
今しばらく…、このメリーに
お付き合いを…頂きたく御座います』
そうだ…しまったッ
ついつい…首を
思い切り振ってしまっちゃってたッ
「ごっ…ごめんッ、メリー…ッ」
『ああ、もしや…この辺りが…
姫様の…お身体が敏感に刺激に御反応を
示される辺りでありましたか?』
妙に包み隠して言われると
逆に厭らしく聞こえてしまって仕方ない
「えっ?ええっ?ちっ…、違っ…」
『ふふ…、ほんの冗談に御座いますよ…?
力加減は…大丈夫で御座いますか?姫様』
そうこっちに力加減を尋ねて来る
そのメリーの口調も
メリーなのかって疑いたくなる程優しくて
その…私の髪を…扱う…その手の動きも
繊細な飴細工を扱うかの様に…細やかで
そんな風に…扱われてしまうと…
本当に…自分がお姫様と言う
存在になった様な…そんな気になってしまう
「お姫様になったみたい…」
『姫様は、私の…、
メリーの姫様に御座いますよ?
私にとって…姫様は
唯一無二の存在に御座います故』
ズキッと…メリーの言葉に…
自分の胸が…痛むのを…感じた