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妄想姫と魔法のステッキ【R-18】

第13章 メイド服を着た姫様と世界樹



『いいえ、姫様。
こちらは種も仕掛けも御座いませんので。
マジックでもましてや
イリュージョンでもございません。
これが、アイテム”フィッテングルーム”の
ご使用方法に御座います。
姫様のお手を煩わせず。
お召し替えに、メイドの手を使わずとも。
私が姫様のお召し替えをお手伝いできる
執事道具のアイテムに御座います。
では。姫様…そちらの方に
お座り頂けますでしょうか?』

そう言って メリーが
何もないだだっ広い草原の上に
これまたアンティーク調の
丸い大きな鏡の付いたドレッサーを用意すると

いろはにその椅子に腰かける様に促して来る

あのさっきのクローゼットにもなる
小さなフィッテングルームも
今 私の目の前にあるこのドレッサーも
部屋に置いてある天蓋付きのベッドも

全部統一感のあるイメージの
アンティーク調の家具だから

確かに中世ヨーロッパの様な
お城とか洋風のお屋敷に
置くのがピッタリな感じの家具だな~と

そんな事を考えながら

そのドレッサーの前にいろはが座ると
後ろに控えていたメリーに声を掛ける


「メリー、座ったよ?これでいいの?」


『では…、姫様。御髪を…失礼致します』


おぐしと言われて…一瞬

串が何と思ってしまったのだが…

メリーの手が簡単にくるりんぱで束ねただけの

私の髪のゴムを解いて来て

丁寧にメリーに髪にブラッシングをされてしまう



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