第13章 メイド服を着た姫様と世界樹
明らかに私が持っていたメイド服と
その小さなフィッティングルームの
サイズ感が合う訳ないのだが
その小さなフィッテングルームに
いろはが持っていた
ミニメイド服(黒)が
あっという間にダイソンもビックリの
吸引力で吸い込まれて行ってしまって
忽然と姿を消してしまって
さながらマジックショーの様な
イリュージョン状態になってるのだが
「メイド服…無くなっちゃった…ッ」
『それでは…姫様…お召し替えを…致しますね』
パチンとメリーが指を慣らすと
ジャッとどこからか
カーテンを引く音が聞こえて
赤いベロアのカーテンに
突然に視界を遮られて
四方を包まれたと思うと
パッとそのカーテンがすぐに消えてしまって
何?何だったの?今のカーテンっと
いろはがその一瞬に出来事に
目を丸くさせながらぱちぱちとさせていると
自分を包んでいる物の
違和感…に気が付いた
胸元や足の辺りが妙にスースーする
「えええ?えええぇ――――!!
ちょ、これっ、どうなってるの?
メイド服になってるっ!イリュージョン??」
…これまた イリュージョンなのか
はたまたマジックなのか何かの様に
一瞬にして自分の恰好が
ミニのメイド服(黒)に変わっていたのだが
このへんてこワールドでは
これは普通の常識らしく
メリーは驚いた様子もなく
いつも通りにしれっとした涼しい顔をしている