第13章 メイド服を着た姫様と世界樹

『ええ、ですから…。
今から姫様にこちらのメイド服の方を
お召しになって頂きますために。
一度、こちらにお納めになって
頂く必要が御座いますので』

今からメイド服を着るって
話になってるのに　着るべきメイド服を
この中にメリーはしまえと言って来るし

前のチュートリアルの時の
あの透け透けの夜着も
お姫様のベッドの専用の衣装の
フリフリのナイトドレスも
自分で普通に着替えたりは
した事がなくていつも自動で
服が変わってるのに…

「ねぇ、メリー…」

『如何なさいましたか？姫様』

「その…シナリオの固定の衣装とか
家具に固定の衣装とかって、
何時も勝手に着替えが出来てるでしょ？
でも…このメイド服は…持ってても
勝手に着てる状態にはならないのは
どうしてなの？何が違うの？」

いろはがメリーにそう説明を求めて来て

『それは…、付属しているか否かに
御座いますよ、姫様。
シナリオの固定のご衣装は、
シナリオの付属の
オプションの扱いに御座います。
家具などのオブジェクトに付属して居る物は、
あくまでも、”本体”は、ご衣裳ではなく
家具等のオブジェクトに御座います。
そちらは…メイド服に御座いますので』

「要するに、これが付属品の扱いなのか、
それとも”衣装”って言う本体の扱いなのか
その違いって事…？」

『左様に御座います姫様。
では、そちらの御衣裳をこちらへ…』

そう言って自分の手の平の上の
小さなフィッティングルームを
メリーがこちらに差し出して来る

半信半疑ながらもメリーからの
早くしろの圧が凄いので
いろはがその上で…
メイド服から自分の手を離した