第13章 メイド服を着た姫様と世界樹
「もうッ…、これを着ろって事を、
メリーは言いたいんでしょ?
まぁここには、幸か不幸か
私とメリーしか居ないし…。
着ればいいんだよね?着ればいいんでしょ?
そんな言い方しなくても、分かったから。
き、着るし、ちゃんと着るからッ」
『では…姫様…そちらのメイド服をこの中に…』
そう言ってメリーが
自分の手の中に握っている何かの中に
このメイド服を入れるように言って来て
その手の中にある小さな箱の様な物の中に
このメイド服が入る訳ないと思ったのだが
「ちょっと、メリー。
どう考えったって…この中には…
これは流石に入らないんじゃ…。
ってこれ、可愛らしいドールサイズの
フィッテングルーム??」
そう…メリーの手には
豪華なベロアの様なカーテンが付いた
手の平サイズのフィッテングルームがあって
ドールサイズのアパレルショップから
取って来た様なそんな小さな
フィッテングルームなのだが
その作りは しっかりとしていて
良くあるカーテンに
囲まれただけの物ではなくて
綺麗な彫刻が施された木製のフレームに
これまた豪華なベロアカーテンが掛かっている
アンティーク調で高級感のある
お洒落なフィッテングルームで
メリーが言うには…この小さな
フィッテングルームの中に
私の衣装をクローゼットとして
しまって置けるのだそうで
しかしこれはフィッティングルームなので…
収納する為が目的の物ではないのだが
「って、今からこれを着るのに、
しまっちゃダメなんじゃないの?」