第12章 強制終了と執事の見る夢とメリーの嘘
「もしの話なんだけどさ…、メリー。
最初のこの世界って
虚無だって言ってたでしょ?
もし、私がこの世界の
”姫”である事を
放棄する様な、事になったら、
この世界ってどうなっちゃうの?
放置してる積みゲーみたいに、そのまま
時間が止まったみたいになっちゃうの?」
いろはの言葉に
メリーがいいえと首を振った
『この世界は
常に姫様と密接に繋がる事で、
存在を維持する事が出来る
世界…にあります…。
世界から中心である、姫様を失えば…。
世界は”浸食”に蝕まれ…、
浸食により徐々に崩壊し、
結果的には…虚無に戻ります。
姫様が…今、育てているこの世界も…、
かつては…緑が豊かな…
それはとても、美しい世界に御座いました…』
「え…、それって…」
『ええ、ですから…、今我々がおります
この世界は…かつては緑が豊かな
それは美しい世界に御座いました』
そう言って メリーは
その世界を懐かしむ様にしながら
ここじゃない どこか遠くを眺めている様で
しまったと…思った時には…もう遅かった…
自分が何気なく聞いた質問が…
メリーを誘導した形になってるし…
メリーはその流れで答えてるだけだから
メリーが悪いって言えないッ…
聞きたくないって
今は聞かないって言ったのに
この…羊を被った…執事に…
すっかり…してやられちゃってる…な…
でも…裏を返せば…
必要になってるって事?でもあるか
まだ…その意図を判断するには…
時期が早いって事ね…
「メリーってさ、本当に羊なの?」