第12章 強制終了と執事の見る夢とメリーの嘘
ふふふとメリーのその言葉にいろはが笑って
こんなやり取りをして置いて
そんな屈託のない笑顔で笑われるのかと…
やはり…どうにも
私の姫様は狡い…お人の様にあられる
しかし…こんな姫様だからこそ…
私の全てを捧げて お仕えしてもいいと…も
そんな風にも…同時に思えてしまって居て
私は…その日が…来ない事を…祈るしかない…
「メリー?メリー?どかしたの?」
考え事をしていると いろは様に
こちらの顔を覗き込まれてしまって
あまりにも無防備な遠慮のない距離と
いつも通りの態度をしている姫様に
どう接すればいいものかと…
自分の中でも決めかねている部分もある様だ
『さて、本日の創造は…
この辺りにしておきましょう。
今の姫様は高揚感が勝っていて、
お疲れを感じておられないようですが、
創造には…なんのリスクも
ない訳ではありません。
創造する為のイメージを起こす力を、
姫様の脳内で消費しておりますので』
「ええっ、でも、ホントに元気なんだよ?
絶好調なんだてば!まだ創造出来そうだよ?」
『いいえ、なりません…姫様。
脳の疲労は、気分が高揚しておられる時には
感覚が麻痺してしまい
お感じにくい物なのでありますので。
私の代りの執事はごまんとおりましても、
姫様の世界における、
姫様は姫様だけにしか居られ無いのです。
世界にとって、
姫様は唯一無二に御座いますゆえ』
気が付いたら…その言葉は…
自然と私の口を付いて出ていた
ふとした疑問…みたいな程度だったんだ