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妄想姫と魔法のステッキ【R-18】

第12章 強制終了と執事の見る夢とメリーの嘘



『もしかしたら…の話なのではありますが、
姫様が彼に…その魔力を
お与えになられたのであれば…。
…その…、そちらのミナトと言う名の…
淫魔のセラピストを。本来なら、単なる
シナリオの中の1キャラクターである彼を。
私の様に、シナリオの外に干渉できる存在に、
姫様のお力で昇格させてしまっている
可能性が御座いますね。
姫様…、大変申し訳ございませんが。
私は急用が出来ましたので、
お茶にご一緒する事は出来ません…お許しを…』

そう言ってメリーが
こちらの断わりを入れると
慌ただしい様子でこの場を離れようとしていて

1歩…歩き出して
その足を止めると

あのシナリオを書いた姫様に
その事を謝罪する為の
手紙を用意して参りますと
そう私に告げると

紅茶を淹れに行った時と同じ様に
またどこかへ行ってしまったのだが


「メリィ―待って、…って行っちゃった…」


テーブルの上からは淹れたての
紅茶のいい香りがしていて


「紅茶……、
メリーと…一緒に飲みたくて
テーブルセット、
折角…用意…したのに…な…」


テーブルを挟んで向かい側には
メリーが座るようにと用意していた
テーブルとお揃いの
アンティーク調のチェアが見えていて

はぁ…と いろはが小さくため息を付いた

テーブルの上にはメリーが淹れた
紅茶が置かれていて

こうして眺めていても 
折角美味しい温度に
メリーが淹れてくれているお茶が
冷めてしまうだけなので

ティーカップに手を伸ばして
いろはが手に取ると

そのカップに口を付けて
メリーの淹れた紅茶を
コクンと喉を鳴らして飲み込んだ


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