第1章 きっかけと言う名の始まりの夜
玄関から部屋の中に入ると
部屋の電気を付けた
リビング…とは言っても
キッチンもリビングもベッドルームも
ワンルームなのだから一緒なのだけれども
テーブルの上に買ったアルコール類を並べて
拭き取りタイプのメイク落としで
メイクを落としながら
プシュと…缶を空けて
ぐいっと中身を流し込む様にして…
一気にアルコール度数9%の
最初の1缶を飲み干すと
トンッ…と空になった缶をテーブルの上に
勢い良く音を立てながら置いて
「はぁ~、染みるぅ~。
…一人で飲んでも美味いもんは美味い」
ゴミ箱に使い終わった拭き取りシートを捨てて
新しいお酒の缶を空けて
ぐいーーーっとこれも一気に煽った
2缶目も…空にして
一度 いろはが立ちあがると
キッチンの冷蔵庫から
酒の肴になりそうな物を物色して
冷蔵庫に入っていたチーズを持って
テーブルの所へと戻る
一気にアルコール度数の高いお酒を
煽って飲んだ上にウロウロとして
酔いが一気に回って来たみたいで
最後に付き合っていた彼に
言われた言葉の数々を
思い出そうとしていないのに
いろはは勝手に思い出してしまって居た