第1章 きっかけと言う名の始まりの夜
最後に付き合ってた彼と…致した後に…
ベッドの中で彼から
小馬鹿にしながら言われた言葉
その言葉が…鮮明に思い出されて…
『何かさ、いろはとしても…さ。
毎回一緒…つーかさ…、
いっつも、ワンパターンで燃えないし?
俺達も、そろそろ…終わりじゃね?』
イラっとした
それをそいつに言われた時の記憶と共に
感じた感情まで思い出されて来て
私は思い出しイライラをしてしまいながら
気分が悪くなってしまって
「思い出しただけでも…、イライラするしッ…」
そのイライラとした気分の所為で
自然と駅までの足取りは早足になって居た
そのまま駅に行く気になれなくて
駅前のドン・キホーテで
適当にアルコールを買い込んで
ずっしりと重たいエコバックを片手に
家に帰る為に電車に乗り込んだ
自分が住んでいるアパートに戻ると
ガチャ…玄関の鍵を開けてドアを開いた
「ただいま~…」
と言ってはみたものの
1人暮らしのアパートなのだから
どこからかお帰りなさいが
こっちに返って来ることは無いし
部屋の中は真っ暗だ
手探りでスイッチの明りを頼りにしながら
玄関の電気をいろはが付けると
履いていたパンプスを
1人暮らしなのを良い事に
そのままの向きのままで玄関に
足を振りながら脱ぎ捨てる