第12章 強制終了と執事の見る夢とメリーの嘘
そう言ってメリーが
すっかりいつものちょっと嫌味な
メリーに戻っていたのは
内心ちょっと安心したのだが
あの若干の嫌味みたいなのを
言ってる方のメリーの方が
心臓に悪くなくていいや…
そのまま どこかへ
メリーがお茶を用意しに行ってしまって
いろははその場に残される
ふと それで気が付いたのだが
…メリーはこの私の部屋の
キッチンで紅茶を淹れてるんじゃないんだ…
「あ、そうだ…!!
あの…カフェとかの
テラス席にありそうな感じの
丸いテーブルと椅子のセット…!
あの…金属で…出来ててお花みたいな
レリーフみたい感じになってるやつ…。
あれがあれば…、テーブルセットだけでも、
十分優雅な午後の
ティータイムって感じがするよね?
さっきので…多分魔法のステッキには
沢山魔力が貯蓄出来てると思うし…」
メリーが紅茶を用意してる間に
テーブルセットを
私が創造して用意して置けば
それらしいって喜んでくれるかも…
知れないし?
まだお屋敷とかお城―は無理でも…
小さい物なら創造しても大丈夫…だろうし…
メリーが元気になってくれればいいんだけどな
そうと決まれば…今の内に
先に外にでて用意しないと…と
いろははベッドの中を弄って
魔力が充填出来ているであろう
お姫様の魔法のステッキを
手探りでゴソゴソとシーツの間に手を入れて探すと
手の先に硬い物が触れて
「あ、あった!
これこれ…お姫様のステッキ~」