第12章 強制終了と執事の見る夢とメリーの嘘
私の嘘も罪も全て 許されてしまう
全く持って…恐ろしい…と
感じてしまわずに居られない…
『姫様…。私は…姫様が思う程…、
出来た存在ではありませんよ?
私に、その様に…許して、
与えてしまってはなりませんよ。
私は…出来損ない…の執事…に御座います…。
本来であるなら、執事として…
ここに居ていい存在ではない…』
「じゃあ、話さなくて良いよ。
だったら…、メリー…
その事は…絶対に話さないでね?」
『……なっ!?そ、それは…ッ…姫様ッ。
姫様、貴方と…言う方は…ッ何という…』
恐ろしい事を…平然として当たり前の様に
ごく自然に言えてしまう…のか…このお方は…
ふふふふと…いろはがメリーに向けて
不敵な笑みを浮かべて見せて来て
その全てを自分が言った戯れの様な
そんな冗談にして来るから
言って置いて…その上…冗談にされてしまって
姫様は…憎らしい位に…狡いと…思ってしまう
『少々…危なっかしい…方だとは…、
お初にお目に掛かった時に…も、
感じておりましたが。いろは様、
貴方と言う…お方は…どうした訳か、
俺が…っと、私が…思って居た以上に…。
危険な…お方の様だ…。
なら…姫様。一つ…、
私と…賭けでも致しましょうか?
貴方が…、俺の口を…割らせる時は…、
その時は…私と貴方の…
間柄の均衡が崩れる時でありましょうから』