第12章 強制終了と執事の見る夢とメリーの嘘
自分の指を濡らす…その涙の感触は…
確かに…彼の心が…流させた物でしかなくて
きっと…過去の事を…普通に聞いても…
メリーは話してはくれなさそうだしな
話したくない…事…なのかも知れない…し…
…アプリの中の…ちょっと口煩い感じの
お世話役の案内人…と言うのが
自分の中での彼の
メリーのイメージだったのだけど
そんな…自分の意思…なんて…
メリーには 彼には無くて
設定された性格と思考で会話したりとか
行動してるのかと思ってたけど…
それは…違うんだな…って
今さっきのメリーを見ていて…感じた
彼には…過去の記憶があるし
自分の意思がある存在なんだって
その過去があるから…今のメリーは
あんな感じの”キャラクター”を
演じてるんだって…その事に気が付いてしまった
元々彼と言う存在に与えられていた
プログラムされていた性格であって人格は
主である姫様に…もっと従ずる者として
尽き従う…様な…
そんな…性格だったんじゃないかって
その”姫様”は メリーに何かを強要していて
メリーはそれをプログラム上拒めなかった
拒むと…自分が…捨てられるかも知れないと…
それを… 彼はずっと 恐れていた?
まるで…彼でなくても
メリーのその代わりは沢山居るみたいな…
大勢の中のひとつでしか無い様な…
その中で…彼は…
執事で居たかった??
その理由が…メリーには
何か……あったの…かな…?