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妄想姫と魔法のステッキ【R-18】

第12章 強制終了と執事の見る夢とメリーの嘘



でも…どうにも…引っかかる…んだけどなぁ

さっきの…警告音みたいなのが聞こえた時の

私の様子を慌てて見に来た時の
あのメリーの表情… 何と言うか…


私を見てる様で… 誰かを…

私ではない別の誰かを見てる様な

そんな 感じがした


それは…ほんの僅かな…

違和感の様な感覚だったけど


こう言う時の…女のカンと言うのは…

根拠らしい根拠は無いが 

かなり高確率で当たる物なのだ


『…ぅ゛ぅッ、ハァ、ハァ…んっ、
ひ、姫様…ッ、お許し…を、
……も、う…、ハァッ、
これ…以上…は…ッ、なりませ…ん』


悪い夢でも…見ているのか

さっきまでは穏やかな寝息を立てていたのに

その…メリーが紡ぐ…寝言は苦し気…で

息遣いが荒く乱れていて…ッ

いや…私…何も…してないよ?無実だよ?

もしかして私があんな冗談を言ったから

私に襲われてる夢でも…見てるとか??



冷えピタを貼ってない部分に

玉の様な大粒の汗を浮かべていて


「すごい…汗…、何か…、拭くもの…ッ」


とりあえず…その…

額の汗を拭いて上げなくちゃと思って

いろははタンスの中から
洗濯の出来ている 
綺麗なフェイスタオルを出すと
そのメリーの額の汗をタオルで拭った


『…んッ、…ぅ、
姫…さ、まッ、…ハァ、…ハァ…ッ』


その…呼吸も乱れて…うなされて居て

苦しそうな苦悶表情をしていた

メリーの顔と呼吸が

整って行くのを…感じて


その…端正な整った顔に掛かっている髪を

いろはが自分の手で除けると…


ガシッと眠って居る人の力とは
とても思えない様なそんな強い力で…
メリーに腕を掴まれてしまって



「メ、メリー???」



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