第12章 強制終了と執事の見る夢とメリーの嘘
「ねぇ、ちょ…っとも、無事も何も。
メリーの顔色の方が、凄い事になってるよ?
私は見ての通り何とも無いから、
この通りピンピンしてるし、平気だよ?
むしろ、絶好調で色々と有り余ってる位だし。
あのさぁ、メリーがここで良かったらだけど、
ちょっと、横になって休んでよ。
顔色、凄いよ?とりえあず、休んだ方がいいよ」
『そっ、それは…なりません…。
何を、仰いますか、姫様。
過ぎたご冗談を、執事である私が…
姫様のベッドで横になる等ッ…』
「そうは言ってもさ、メリー。
今のこの世界にはね、
建物らしいものはこの私の部屋しか無いの。
狭いワンルームなんだから、
ベッドがもう一つ置ける様な…
そんな余裕も無いからね?だから…、
もう私は休んだし、それに十分…に
メリーが用意してくれたシナリオで
沢山癒されて来たから。大丈夫だから、ね?」
ごそごそいろはが慌ててベッドから出ると
嫌がるメリーを自分がさっきまで
横になって使っていた
温もってるベッドで申し訳ないとは
感じてしまいつつも横にさせようとするが
『しかしっ、姫様…ッ
私は…平気ですので、この様な事は…』
「そんな顔色で、仕事なんか
いつも通りに出来ないでしょ?
いいから、いいから、さっさと休んで」
他に横になって休める場所は
この世界にはどこにもないから
その天蓋の付いたベッドに無理やりメリーを
ぐいぐいと押し込んで横にならせて休ませる
「ちょっとだけ、で良いからさ。
メリーがここで休んで?ね?
大丈夫大丈夫、襲ったりしないから」
『そっ、それは…なりませんっ、
…姫様…が、その様なッ、私は…』
「冗談を真に受けて無いで、
いいから、休むのっ!!
文句言わないっ。ほら、さっさとするっ」
『あのッ…』
「休むのッ」
『はい…』
私がベッドにメリーを押し込んだ後も
しばらく不満そうにしていたが
しばらく休む休まないの
押し問答を繰り返して
こっちが命令だと言うと
メリーはすっかり大人しくなった
いや… 自分の
姫と言う立場を利用して大人しくさせたのが
今の状況の正しい解釈なのだろうけど