第12章 強制終了と執事の見る夢とメリーの嘘
『姫様!ご無事に御座いますか?姫様?』
いろはが瞼を開くと……
お姫様のベッドの天蓋の裏側と
こっちを心配そうな顔をしながら
覗き込んでいるメリーの姿を
視界に捉える事が出来た
「ちょっとぉおおっ!メリィィイイ?
何で、邪魔したりするのよ!
さっきの、貴方なんでしょ?
もうちょっと待ててくれたら、
こっちだって気持ち良く、バイバイしてさ。
上機嫌で、シナリオ
終了させて戻って来たのにさ!」
あんな引き戻し方じゃなくて
後10分…
いや 5分でも待ってくれたらって
ちょっとした会話の
2言3言だって交わせたはずなのに
そう 思うと何てことをしてくれたんだと
メリーへの腹立たしさを感じてしまって
つい口調が荒くなってしまって居たのだが
『いえ、…姫様…。姫様の
お気持ちは…分かりますが、
落ち着いて下さいませ。
何やら、姫様の中に、私に対する
誤解がおありの様にある様にございますが。
姫様、お耳を私に向けて頂いて、
一度、メリーの話をお聞き頂いても?
お言葉には御座いますが…。
先程のシナリオを強制終了させたのは…
このメリーでは御座いませんが?』
私は…てっきり メリーが何かを操作して
シナリオを強制終了させたのだとばかりに
そう思って居たから 事後の
イチャイチャタイムを省略されてしまって
思い切りメリーに不満を述べてしまったのだが
私に対して説明をして来る
そのメリーの姿を見ると
どうやらシナリオを強制終了させたのは
メリーの仕業では無かった様だった