第3章 魔法のステッキの魔法
少なくても私の知っている世界では
魔法なんてものは非現実的な物で
ファンタジーの世界の
それこそ小説なりゲームなり
漫画なり映画の中で許される物でしょっ?
『でしたら、姫様。
イメージをしてみて…下さい…』
「イメージ?」
『そうです、イマジネーション、
想像をしてみて下さい。今、姫様、
ご自身がお住まいになっておられます。
あのお部屋を…、
頭の中で思い浮かべて頂けますか?』
「え、あ、うん…、分かった…」
メリーに言われるままに…自分の住んでいる
アパートの部屋の間取りを
いろはが自分の脳内に思い浮かべる
『目を開いて頂いても?』
メリーの声が聞こえて
ぱちっ…っといろはが目を開くと
いつもの自分の
あのワンルームのアパートの部屋に居て
「え?ここ、私の部屋だ…。え?
どうなってるの?これ、メリーがしたの?
ここ、私の部屋……、さっきの場所から
一瞬で移動したの?私」
でも…私の部屋だけど…
その向こうにはあの黒に
緑のフレームの世界が奥には続いていて
まるでドラマか何かのセットの様だ
『いいえ、姫様。
これは私がしたのではありません。
姫様のお力にございます。
イマジネーションの力、
これが…、この世界における
”魔法”になるのです。
姫様のお手の魔法のステッキをご覧ください』
「ハートの石…のキラキラが減ってる…?」
『そうです、魔法を使い慣れない内は。
使う度に大きく、その魔法のステッキの
魔法の力を使ってしまいます。
ステッキの魔法の力は、
充電では回復できませんから』