第10章 ようこそ!淫魔の癒しのマッサージ店へ…** 前編 裏なし
こんな自分には…
誰かを好きになって
誰かに好きになって貰って
愛し合ったりする様な
そんな権利も無いって
誰かを好きになる事からも
愛する事からも愛される事からも逃げていた
今の…自分には…これ以上に…
染みる言葉…は無いなって
ミナトの腕の中で…抱きしめられながら
その胸に…自分の顔を寄せてもたれ掛っていて
『いろはちゃん、
ベッドルーム…行こっか?』
「………」
いろははそのミナトの言葉に…
コクンと…言葉ではなくて
頷いて返事を返すと
ふわっと…自分の身体が浮いて
ミナトにお姫様抱っこをされたのだと
気が付いたのだけど
そのまま抱き上げられたままで
廊下からベッドルームへ一緒に移動して来て居て
お姫様…抱っこ…なんて…
今までに付き合ってた彼氏の中でも
してくれたのは…一部だけだったし
ミナトさんに 気を遣って貰う度に
お姫様…みたいに扱って貰う度に
付き合ってる…彼以上に…優しくされてしまって
こんな風に…尽くされてしまって
良いのだろうか…って 思ってしまって
申し訳ない…気持ちになって…
混乱してしまう…ばかりだったりもする
「す…、すいま…せんっ」
自分でも…何に対して
彼に謝っているのか分からなかったが
自分の中の申し訳ない感情に
どうにも抗えなくなってしまって居て
ミナトに対して謝罪をしてしまっていた