第10章 ようこそ!淫魔の癒しのマッサージ店へ…** 前編 裏なし
『だってさ、勿体ないよ?勿体ない…。
勿体ないよ?いろはちゃん。
君のさ…、その…時間と人生が…勿体ないよ。
だって、俺達悪魔と違って、
人間なんてさたかだかさ、
100年そこらで
すぐに死んじゃうんだよ?
そんな短い時間しかさ
生きられないのに、勿体ないよ』
まるで…自分の100年と
私の1年が…同じだと言う様に
ミナトがいろはに言って来て
こんな風に…私の…あの彼と別れた後の
1年と…ちょっと…の
この時間を…勿体ないって
ミナト…が言ってくれて…
ぎゅ…と…その腕の中に…抱きしめられる
色んな感情が…
自分の中でぐちゃぐちゃになって居て
その時間への後悔が… 一瞬にして溢れて
ボロボロと…涙に変わって
自分の頬を濡らして…
次から次に落ちて行って
嗚咽…混じりになりながら…
泣いてしまっていた
ぎゅうううとその腕に包み込まれて
抱き締められて
ちゅ…ぅ…っと ミナトの唇に
自分の目から…
溢れていた涙を掬われてしまって
その…優しさ…も…
私がお金で買った物…なのに
まるで…無償に
与えられている様にすらも感じてしまう
『思い出してみる…気になってくれた?
俺が、今からする事で、いろはちゃんが
これは嫌だなって感じることは、
遠慮しなくていいから、
嫌って言ってくれたらいいよ?
俺は、そう言う仕事…を、してるんだからね?』
あくまでも…これは施術で
セックスではないとミナトが言って来て
自分は仕事でこれをしていると強調して来る