第2章 魔法のステッキとイケメン執事
案内開始すると言う説明を
メリーから受けるが
やっぱりこのアプリには
ちょっとエッチなコンテンツが楽しめる
何かが入っている…って事かな?
残り物には福があるって事なのかな?
私は…凄い…お得な買い物をしたのでは?
そんな事を一瞬考えてしまいつつ
やっぱりちょっとお恥ずかしい感じの
音声が垂れ流されるらしく
アプリと連動してステッキを使う時には
イヤホンかヘッドホンが推奨の様だ
「別に…一人暮らしだし…、
イヤホン無くてもいいけどな…。
ああ、あった…イヤホン。
…ここに、イヤホンを挿してっと」
耳にイヤホンを嵌めると
案内開始をタップしようとして
周囲の安全が確保できる状態じゃなかったなと
その事にいろはが気が付いて
キョロキョロと周囲を見回すと
部屋の隅のローソファが目に入って
その上に身体を預けると
いつも使ってるハーフケットを身体に掛けて
ソファの隅に置いているクッションに
もたれ掛かると部屋の明りを落として
豆電球だけの暗さにする
ステッキのカーソルを動かして
案内開始…のボタンをタップした
自分の真後ろに誰かが居る様な…
そんな息遣いが聞こえて来て
え?後ろに…誰か…居る?
『では…、姫様。案内を開始致します。
全身の力を抜いて…、楽に…して。
それから、大きく息を吸って、吐いて…。
そうです、それを…繰り返して…』