第10章 ようこそ!淫魔の癒しのマッサージ店へ…** 前編 裏なし
こっち?こっちはどっち?
…こっち…って
「こっち…って、下?」
声が…随分と下の方から聞こえて
いろはが下を向くと
そこには…長靴を履いた猫のごとしに
服を着て二足歩行をして人語を話す猫が居て
「ねぇ、猫っ!!猫が、
人間の言葉、喋ってるぅうう???」
『いえいえ、お客様ッ、
私は猫では御座いませんっ。
見た目は猫と言う生き物に
姿形は似ておりますがァア。
我々は…、猫ではなく。れっきとした
ケットシー族に御座いますぅうう』
見た目はまんまの
二足歩行の猫…なのだが…
彼等はケットシーと言う種族らしく
猫の姿をした妖精…なのだそうだ
猫が100年生きて猫又に進化するのとは
そもそもに発生の成り立ちが違うらしい
その二足歩行のケットシーに案内されて
大通りから細い通りに入った場所にある
一見するとホストクラブの入口の様な
店の前で
『こちらのお店になります』と言われて
お店の入口の前で
案内役のケットシーとは別れて
無料案内所と言うだけあって
紹介手数料とかは発生しなくて安心したのだが
入口の…ドアをいろはが開くと
ガランガランとドアのベルが鳴って
入ってすぐの場所には
受付のカウンターがあって
その受付のカウンターには
スーツ姿の40代位の
スーツの上からでも
がっしりとしてるのが
分かる様な筋肉質な男性が居たのだが
受付の人も…渋い感じのイケメンなお兄様で
思わず…そのまま…
見惚れてしまって居たのだが
渋いイケメンなお兄様なのには違いがないが…
その…この人…角生えてるッ
いや うちの羊の執事のメリーにも
頭には角が生えてるんだけども…
その男性の頭には…黒い角が生えてて
その背中には…蝙蝠の翼があって
耳も…人の耳と形が近いが先が尖がっている
その男性が普通の
人間…じゃない…と言うのは
いろはも一目見て理解した