第10章 ようこそ!淫魔の癒しのマッサージ店へ…** 前編 裏なし
『いらっしゃいませ。
ようこそ、当店へ。可愛らしいお姫様。
こちらは…淫魔のマッサージ店に御座います』
いんま?? 淫魔って言った??
「淫魔???
淫魔ってその別名を夢魔とも呼ばれていて、
人の夢の中に現れては、
性交を行うと言う…類の。
その名前の語源は…
ラテン語に起源があると言われている。
男性型はインキュバスで、のしかかる。
女性型のタイプはサキュバスで
下に寝ると言う意味から
その名に由来していると
一般的に言われている淫魔…ですか??」
にこっといろはの言葉に
その男性が笑顔になって
『ええ。あの…夜な夜な
寝ている人間の寝所に現れては、
それはそれは淫らな淫行を働く、
下等悪魔…の淫魔ですが…?』
「でも…馬面…じゃ…ない…ですよ??」
自分が昔見た…小説に出て来ていたのは
馬面をしたタイプの
インキュバスだったのだが…
目の前の男性は完全な人間の形態をしていて
『ああ、大きな括りにしてしまえば…
そちらも…、夢魔とは呼ばれる
類の存在にはなるのですがね?
正確には…彼らは妖魔…
主に、ボビーと呼ばれる物で…
細かくに言えば…ゴブリンの一種。
ボビー以外にも悪戯の延長で、
寝ている人間にそう言った悪戯をする
悪い妖精…は色々と居りますが。
それはどれも、妖精の類の物ですから…。
我々下級とは言え、正真正銘の
魔族…、全くの別の物に…なりますよ』
ってか…この…淫魔の男性も…かなり…の
渋い感じのイケメンで
良いお声の低音イケボッ…
低音イケボに聞き惚れてて…
肝心の説明を全部
聞き逃しちゃってた…けど…
ま…いいか…
いいや…聞き直すのも失礼だしな
「えっと、…このお店で…その、
マッサージを…して貰えると…
紹介所で、紹介して貰って来たのですが…」