第9章 スライムと世界樹
「ねぇ、メリー。
石だらけの土しか無いんだけど…?」
『でしたら、姫様のお手持ちの
魔法のスコップの背で、
…その石混じりの土を
叩いて頂ければ結構にありますので』
「これで…叩くの?土を??何で?」
メリーのその返事に 言われるままに
そうして何になるのかと
いろはは疑問を感じてしまいながらも
いろはが持っているスコップの背の部分で
穴の横の石だらけの土の山を
メリーに言われた通りに ペチペチと叩くと
ゴロゴロとした石が消えて行って
こんもりとしたふわふわの柔らかそうな
土の山に変わっていた
「え?石が綺麗に無くなって…全部
ふわふわの土になったんだけど…??」
メリーが言うに 私が種に掛ける土は
柔らかい土が良いだろうとイメージしたから
石だらけの土から柔らかい土になったのだそうだ
「大きくなーれ、大きくなーれ♪」
スコップでそのふわふわの土を世界樹の種に被せて
メリーがこれで仕上げをと言って
差し出してくれたのは…
銀色のペンダントで…
そのペンダントの先には
銀色の小さなジョウロの形の
ペンダントトップがついていて
「もしかして、これで水をやるの?」
『ええ、こちらは
魔法のジョウロに御座いますよ?姫様』
どう考えても…
そのペンダントトップの
ジョウロには水なんてその中には
1滴も入ってない様な感じがするし
シルバニアが花壇に水やりする様な
そんなサイズ感のジョウロを
いろはが摘まむ様にして持って
半信半疑で傾けると
虹色の水が…ジョウロから沢山…
シャワー状になって出て来て
「わぁ~、凄い。
メリーお水、虹色のお水が出て来たよ」