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妄想姫と魔法のステッキ【R-18】

第9章 スライムと世界樹



「ねぇ、メリー。
石だらけの土しか無いんだけど…?」

『でしたら、姫様のお手持ちの
魔法のスコップの背で、
…その石混じりの土を
叩いて頂ければ結構にありますので』

「これで…叩くの?土を??何で?」

メリーのその返事に 言われるままに
そうして何になるのかと
いろはは疑問を感じてしまいながらも

いろはが持っているスコップの背の部分で
穴の横の石だらけの土の山を
メリーに言われた通りに ペチペチと叩くと

ゴロゴロとした石が消えて行って

こんもりとしたふわふわの柔らかそうな

土の山に変わっていた


「え?石が綺麗に無くなって…全部
ふわふわの土になったんだけど…??」


メリーが言うに 私が種に掛ける土は
柔らかい土が良いだろうとイメージしたから

石だらけの土から柔らかい土になったのだそうだ


「大きくなーれ、大きくなーれ♪」


スコップでそのふわふわの土を世界樹の種に被せて

メリーがこれで仕上げをと言って

差し出してくれたのは…

銀色のペンダントで…

そのペンダントの先には

銀色の小さなジョウロの形の

ペンダントトップがついていて


「もしかして、これで水をやるの?」

『ええ、こちらは
魔法のジョウロに御座いますよ?姫様』


どう考えても…

そのペンダントトップの

ジョウロには水なんてその中には

1滴も入ってない様な感じがするし

シルバニアが花壇に水やりする様な

そんなサイズ感のジョウロを

いろはが摘まむ様にして持って

半信半疑で傾けると


虹色の水が…ジョウロから沢山…

シャワー状になって出て来て


「わぁ~、凄い。
メリーお水、虹色のお水が出て来たよ」


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