第9章 スライムと世界樹
その中のアボカドサイズの種を取り出すと
ずしっと自分の手に重みが掛って来て
”世界樹の種”は
アボカドのサイズだったのに
ヤシの実よりも大きいサイズになって居た
「重いぃいいいっ、ちょっとぉ~、
メリィぃいいいっ、どうなってるの?
これっ、重すぎるしッ、さっきよりも、
種が…、大きくなってるんだけど?」
『姫様が…お望みになったからに御座いますよ?』
「私が…望んだから…??ってどう言う事?」
『あの時に姫様が望んだ、
この世界の世界樹の大きさと
今、姫様がお望みになられました、
世界樹の大きさのイメージが変わったからです。
姫様のお望みのサイズの世界樹となる為に、
世界樹の種が必要な魔力を
ステッキを通して吸収したのであります』
要するに…私が…この場所に似合うサイズの
凄い大きな世界樹が欲しいって
無意識でイメージをしていたのが
魔法のステッキに伝わって
魔法のステッキがその為の魔力を…
この世界樹の種に送った…って事????
だからアボカドのサイズだったのに
ヤシの実の大きいヤツ…になったって事??
当然…魔力を消費したので…
お姫様の魔法のステッキは…
あのいつもの卑猥棒になって居たのだが
もう…この後は…魔力補充しなさいって事ね…
ある意味…展開を裏切らない…な…この世界は…と
いろはは思いつつも…自分が掘った穴に
その世界樹の種を置くと 上から土を被せていく
ある程度の土を被せた所でいろはが
ピッタリとその作業の手を止めて
自分の後ろで 砂場で遊ぶ子供を見守る
母親の様になっていた
メリーの方を振り返って見て来ると
「ねぇ、メリー、これさぁ、
石だらけの土しか無いんだけど…?」