第9章 スライムと世界樹
『先程、私が言いました様に、
この今の世界は縮図になっておりまして、
簡略化された規模の縮小されている、
ロールプレイングゲームの
フィールド画面の様な物に御座います。
実際の大きさの世界をこの速度で、
あの場所からここまでは移動できません故』
「今のこの見てる、世界が
フィールドモードなのは理解したんだけど、
だったら視察モードって?どんなのなの?」
今の見てる世界がフィールドモードなら
その視察モードはどうなのかと
いろはがメリーに説明を求める
『姫様、百聞は一見に如かず…に御座います。
口で、私がご説明を差し上げますよりも。
姫様の、そのお目にて、
ご覧になって頂ければ説明するより早いかと』
そう言ってあっちと指さした方向を見ると
視察モードと表示されて居て
一気に見ていた世界の景色が…
リアルなタッチに変わって行くと
世界の中心の上空に居たのだが…
その高度が一気に高くなって
「ひええええっ、高いぃいいい~ッ」
景色がリアルになった分
高所に居る事への恐怖心が生まれてしまう程に
海も…空も…下に見えている山々も木々も…
自分の目には…リアルサイズに見えていて
『姫様がご自身の目で、
等身大のこの世界を見てご自身の
有様を、この様に五感で感じて頂けますのが、
こちらの視察モードとなります』
メリーが言うには 今までも
あの最初に創った私の部屋の中に居る時は
視察モードになっていたらしく
外に出ていて私の部屋がドラマのセットに
なって見えていたのが
丁度フィールドモードと視察モードの中間の
双方の特徴を適度にミックスしたマルチモードに
初期が設定されているのでなって居たそうで
自分の近くを創造するのには
そのマルチモードが便利なのだそうだ
メリーがそのまま…鬱蒼とした
森の中にゆっくりと降りて行って
『では…姫様…、こちらが…
世界の中心の中心に御座います』
そう言って…私の身体を
木々が無い…開けた場所に降ろした