第9章 スライムと世界樹
『きっと、その内に
この世界に、…人間のモブが発生すれば。
ミルキーフラッペは、世界中から
かき氷を食べに来る観光客が夏場に溢れる
かき氷の名産地になるでしょうね…きっと』
「冒険家が…命を懸けて、
己の限界と戦いながら
登頂するような山じゃなくて?
観光客が皆で、わいわいして、
美味しくかき氷食べる山になっちゃったの?」
自分がイメージしていた最高峰とは
ミルキーフラッペは私の思って居た
方向とは違う進化をしてしまったが
年中かき氷食べ放題の観光名所になりそうだ
『では…姫様。この先に御座います、
世界の中心まで、一気に参りましょう』
そのままメリーが凄い速度で
空の上を移動するから
必死にメリーに
しがみつくしか出来ないのだけども
それから…数分移動した所で
メリーが減速したのが分かって
押しつぶされそうな風圧から
いろはは解放されたのだが
『さぁ、姫様。こちらが…先程
姫様にご創造頂きました。
この世界の中心に御座います、ご覧ください』
メリーにしがみついたままで
押し付けていた顔を振り返る様に
いろはが顔の向きを変えると
いろはの視界には…
ドーナッツ状の高山に囲まれた
鬱蒼と木々が深く生い茂る
丸い円形の土地が見えていて
まさしくに 私がさっきお遊びで創った
この世界の中心に到着した
『では、この島の中心に
世界樹の種を設置致しましょう。
フィールドモードから
視察モードに切り替えを致します』
「んん?何それ?
フィールドモードと視察モードって??」
メリーの口から出て来た
聞きなれない初めて聞く単語に
いろはがメリーに説明を求めると
メリーがむっとしていたので
どうやらこの話はメリーはあの
ホワイトボードの座学の中で私には
一度説明してる…のだろうな…
全然…私の頭には記憶に残ってないけど…