第9章 スライムと世界樹
『では…そちらの
姫様のお手元に御座います。
世界樹の種の方を、
そちらの先程お創りになられました
この世界の中心に、姫様のお手で設置を』
メリーが世界樹の種をさっきの場所に
設置する様にといろはに促して来て
「ねぇ、メリー。種をさ、
設置するのは良いんだけどさ。
ここまで移動しなくて良いの?」
地図の海の真ん中のドーナッツを
いろはが ここと指さしながら
メリーに問いかける
『直接…赴かれますか?姫様。
では、お手をどうぞ…こちらに。
空を飛びますので…、私におつかまり下さい』
メリーがそこまで
空を飛んで移動すると言ったので
メリーの言葉に驚いてしまったのだが
「ええっ、メリーって空、飛べるの?
メリーは羊でしょ?だって、羽…無いのに?」
『いえ、私は…あくまでも
羊ですので、空は飛べませんが?
羊でも、空を飛べるようなそんな、
便利なお助けアイテムが…、
執事界隈には御座いますので』
もう…あの執事の四次元ポケットも…
それなんだろうなって思いつつ
メリーがその執事のポケットを弄って
ハロウィーンのコスプレで使いそうな
リュックの様に背負える羽を取り出して
その蝙蝠の羽を自分の腕に通して背負うと
メリーの角が
あのクルンとした角だからなのか
その蝙蝠の羽が付くと…
メリーはどう見ても…羊の執事…ではなくて
悪魔…な執事…にしか…見えないんだけども
そのリュックサックみたいなベルトが
装着したら服と同化してしまって消えていて
その蝙蝠の様な悪魔の羽は
メリーの羽にしか見えないんだけども…
『姫様…お身体を…私にお委ね下さい』
「え?ええっ、待ってッ、委ねるって?」