第9章 スライムと世界樹
引き出して欲しいと言われて
具体的にどうすればいいの分からないが
その髪の毛の様になっている
その線の部分に 手を伸ばして
いろはが手を添えて触ってみると
数枚…紙が重なっている様になって
指先に触れる感覚がずれるのを感じるから
スルスルとその紙の様に重なっていて
ずれる部分の紙
(おそらくレイヤーと言う物)を
いろはがスライドさせて
自分の居る手前側へと引き出して来ると
「何…これ…?黒い紙…?
…みたいなの…が出て来たんだけど?」
『ああ。そうです、姫様。
そちらの単なる黒い紙…の様な物こそが…
高低差の編集をする為の、
レイヤーに御座います』
その高低差のレイヤーと呼ばれる
一見すると 単なる
黒い紙にしか見えない物なのだが
黒い紙の上に赤いラインで
パースの様な物が引かれていて
枠外の部分の空中に
これを操作するのに必要な物なのか
パレットの様な物が
自分の前に設置されているのに気が付いて
右と左とに同じ物があるから
両方の利き手の姫にに対応している様だった
「この…、
パレット…みたいなので操作するの?」
丁度いろはが手を伸ばせば 右と左
どっちのパレットも操作が
出来る様になって居て
そのパレットを見ると
鉛筆のアイコンや指のアイコン
筆やローラーやスプレーのアイコン
消しゴムのアイコン等があるのが見える
ここだけ見るとお絵かきソフトの様だが
『細かく指定して頂かずとも、
姫様の脳内のイメージに
レイヤーの方が自動で連動いたしますので…』