第9章 スライムと世界樹
『ああ、そうそう。ついでの様な
話には御座いますが。
世の中の姫様の中には、
スライムだけに限らず、そう言った、
モンスター育成や、その良し悪しを競う
品評会と言った物。更には既存のモンスターから
モンスター同士を掛け合わせて、交配をし、
新種のモンスターの生成を
楽しまれている姫様も…、おられますよ?』
「ええっ!!!?2匹のスライム…に、
前と後ろから…挟まれて…って。
ちょっとぉ、メリーぃ、何言ってるのよ。
ダメダメッ、そんなの、無理無理ッ。
100匹ッ?100匹のスライムに
一度に愛でられたら…、身体持たないよ?
そんなっ、死んじゃう…ッ」
『姫様?何のお話に御座いますか?
……ッと、私の言葉は、どうにも
姫様には届いておられない様に御座いますね…』
メリーがモンスターの育成やら
交配を楽しんでいる姫の話を
いろはにした事は 全くに近いほど
いろはの耳には届いていない様子で
メリーのスライム牧場の言葉に
いろはの脳内では
2匹のスライム娘に前後から
サンドイッチされてヌルヌルされてしまう
そんなあられもないワンシーンや
100匹のスライムに自分が埋もれて
全身をスライムにヌルヌルにされてしまう
まさしく酒池肉林の様な…
そんな光景が思い浮かんでしまったのは…
口が裂けても…この口からは
メリーには言う事は…出来ないが
そんな妄想が自分の中で一瞬で完成してしまって
後半のメリーの言葉を忘れてしまって居たが…
『姫様?お話を…続けても…?』
そう言いながら メリーが怪訝そうな
顔をしながらいろはの方を見ていて
「すっ、すいません…続けて下さい…ッ」
『そうですか、でしたら、話の続きを…』