第9章 スライムと世界樹
「………」
『あの…、どうか…なさいましたか?姫様』
そのいろはの慌てた様子に
尋常ではない空気を感じたメリーが
その原因を確かめるようにして
いろはに声を掛けて来る
「ねぇ、メリー。メリーにさ、
確認したい事って言うか、ちょっと、
聞きたい事があるんだけどね…」
『何に御座いましょう?姫様。
このメリーに
お答え出来る事にございましたら
何なりと…お尋ねくださいませ』
いろはがベッドの上で上半身だけを起して
座ったままの姿勢で
自分の太ももの上の辺りで
指と指を絡ませる様にしていじいじとしていて
ちらっと視線をメリーに向けては
そのいじいじと弄っている
自分の指の方へと視線をいろはが向ける
『…姫様?』
この…シナリオから戻って来てからと言う物
いろはの態度と言うか様子が
明らかに前の…2回の時の
魔力の補充の時とは違っていて
それは…メリーの目から見ても
明らかな物…であったのだが
聞きたい事があると
自分から話を振って置いて
話を一向に始めないいろはに…
メリーの方からその名を呼んで
話をする様にと 促して来る
「ねぇ、メリー。さっきね、
…私の世界に…大地と海を創ったでしょ?
そうしたらさ…、
土の大地に草が生えて来て、
蝶々が飛ぶ様になったよね?
さっき、メリーも…もうちょっとしたら
木が生えて来るって言ってたよね?」
『ええ。それは…
大地と太陽が御座いましたら
必然的に大地から…自動で
派生して行く現象に御座います。
姫様には…海もご創造頂きましたから。
太陽と海が揃えば…、世界に”雨”と言う
気象が…追加される事になりますし…。
この雨が発生すれば…自然と…、
海水ではない水が…世界に
生まれるようになります…が…それが…何か?』