第1章 【Naughty Girl】
今まではどれだけ莉菜を抱いても
まるで実感がなくて。
果てれば果てるほど、
虚しさがオレを包んでいたけど、
「……んっ、しょ…ぉ」
オレだけのものになった莉菜が
オレから与えられた刺激に身を捩って
吐息の隙間で
オレの名前を呼んでくれる…。
愛しくて、たまんない……。
「……っ…莉菜…。」
「…ん、……アッ…。」
オレの背中に回された莉菜の指が
爪を立てて限界が近づいていることを
オレに知らせてくる。。。
「……莉菜…? 愛してるよ。」
「…私、もっ……。」
「……もう、よそ見しないで。」
目尻に涙を浮かべながら
快感の海を泳ぐキミを
オレ以外のオトコに見せたくないんだ。
もう二度と―――…。
莉菜を誰にも渡したくない。
できれば、
オレだけの世界に閉じ込めてしまいたい……。
オレはその欲望を隠してキミに口づける。
そのキスは、身体の奥深くに
生温かくくすぶっていた欲望の扉を開け放ち、
快感の渦の中へと2人を
イザナう―――…。
***
「思ったけど…2人で一緒に
お風呂に入ったの初めてじゃない?」
「……彼女としか一緒に入らないって
決めてるからね。」
「…へぇ。」
“彼女”って響きが気恥ずかしいから、
可愛げのない返事しかできなくて…。
「……莉菜はさ…、
あ、ごめん。やっぱ、いい。」
ソイツとも入ってたの?
って聞こうとしたけど、
もし入ってたって言われたら
立ち直れる気がしなかったから
聞くのをやめた。
「……入ってないよ。」
「なに!? 莉菜ってエスパーなの?!」
「違うけど!笑 この流れで言いかけたら
誰だって気付くよ…笑」
「ふーん? そういうことにしといてやるよ!」
「全然信じてないじゃん笑」
「オンナは嘘つきだからねー」
それまでオレの胸に背中を預けて
話していた莉菜がくるりとこっちを向いた。
「私はもう紫耀にはウソつかない。
オンナじゃなくて、私を見て。」
……へぇ。油断してた。
本当の莉菜は
独占欲強火タイプなのね笑
気が合いそうで何よりだわ…笑