第4章 【片想いの小さな恋】
「あ、うん…。
仕事で授業に出れないこともあるからね。」
「……まじかぁ。俺もやってもらおうかなぁ!
大学進学予定なのに、
今回マジでヤバかったからさ…」
「いや、でも…仕事しながらは結構大変だよ?
課題もでるし…。」
「でも、俺より忙しい海人くんができてるんだから
俺がこなせなきゃおかしいでしょ笑」
「いやぁ…それに、結構厳しいし…。」
「せっかく勉強教えてもらうのにゆるゆるされても
困るでしょ!笑 とりあえず、授業終わったら
先生に頼みに行ってみようかなー!」
とうしよう……やだ。
って思うのめちゃめちゃ心狭いのわかってるけど
(おまけにさっき助けてもらったのに…!)
でも、やなもんはやだ!!
ねぇ…先生お願い、断って…!
なんて、バカげたことを願ってみる。
けど、
授業が終わって頼みに行っていた
優斗に確認して、玉砕。
まぁ…オレも優斗もイチ生徒でしかないんだから
それはそう。
でも、現実を突き付けられた
オレのHPは0…。
***
「テスト明けの部活もダルいけどさ、
あのダブル髙橋、マジでウザいわ。」
「あーね。あのまま煽って殴らせて、
停学にさせるのもアリだったんじゃね?」
「んだよ、それ笑 痛いのはオレじゃんw」
「……おいおい、穏やかな話じゃないなぁ苦笑」
芝生で休憩していた俺たちの隣に
腰を下ろしながら増田が会話に入ってきて。
「ゲッ! 増田先生いつから聞いてたんすか…。」
「ん? ダブル髙橋の辺りかな笑」
「まぁまぁ聞いてるじゃないっすか…苦笑」
「問題起こすのは部的にも困るから
やめてよ? で、髙橋の何がうざいの?」
「アイツ…芸能活動も上手くいってるくせに
勉強もこなすんすよ。しかも、トレイトの中で
できる方とかじゃなくて、普通に…。」
「あ、そうなの? 可愛い顔してやるじゃん笑」
「可愛いですか? 生意気な顔ですよ。」
「お〜…イイ感じにムカついてるね笑」
「なんか、仕事で授業にいないくせに、
麻生先生から個別に教えてもらって
いい点とるのも腹立つし…。」
「……え? それ、どういうこと?
ちょっと、詳しく聞かせてよ。」
「いや、まぁ…オレもアイツとは仲良くないんで
人づてに聞いた話なんですけど…」