第1章 【Naughty Girl】
「……何か、あった? ハハッ…!
お前、正気…?? 笑えるんだけど。
別に…今日だけの話じゃない。
なんなら、お前とこんな関係になってからずっと!
ずっと、オレは気が気じゃないよ…!」
「……紫耀。。」
「そりゃ、オレが…後から入ってきたよ?
不倫関係に悩んでたお前の相談に乗ってた立場で
一線を越えさせたオレにも責任があるとは思ってる。
だけどさ、オレ言ったじゃん。
オレにしとけって。
それなのに…いつまでも
どっちとも関係切れないってどういうこと??
オレには、わけわかんないよ…。
お前がオレの隣にいないとき
オレの知らないソイツが
お前を抱いてるんじゃないかって。
そんなことばっか考えて
気が狂いそうなんだ。
頼むよ……。
オレをこの苦しみから解放してよ…!」
キミに夢中で、
愛しさに溺れそう―――…。
壁にもたれていた紫耀が手で顔を覆いながら
力を失ってズルズルと床に座り込む。
「…紫耀、ごm」
「謝るな。余計惨めになるから。
謝るくらいなら、他にすることあるだろ…?」
RRR……。
「携帯……出ねぇの?」
画面に目をやり、
名前を確認した莉菜に声をかける。
「……ん? うん…。」
「ねぇ………何で?」
「いや、大丈夫だから…。」
「……は?笑
大丈夫って何が?笑
こっちは傷だらけなの!
ねぇ……ホントにわかってる??」
「ごめんなさい…あのね、。」
「だから……謝るなって言ったじゃん!!」
苛立ちを抑えきれなかったオレはその瞬間、
糸が切れたみたいに抑えこんでいた何かが
弾け飛んだのが自分でもわかった。
「じゃぁ……、わかった。
莉菜が言えないんならオレが言うから。
携帯貸して。」
「……違うの!!」
「違うって…何が?」
「だから…もう、
その人とはそういう関係じゃないの。」
「……え?」
「今日、逢ってからちゃんと、
落ち着いてそのことを話そうって思ってたのに、
紫耀が、急に…。」
「え……何それ!!
オレ超ハズいじゃんwww」
「ハズいっていうか…ちょっと、怖かった…。」
「ごめんごめんごめん! ほんと、ごめん!
さっきのオレ、余裕なくて。忘れて!」
「もう……しょうがないなぁ。笑
忘れっぽい私に感謝してよ?w」